意見書「朝鮮学校への高校無償化制度適用除外を速やかに解消することを求める」を提出いたしました

 

 札幌市子どもの権利条例 市民会議では、このたび、朝鮮学校への高校無償化制度適用除外を速やかに解消することを求め、関係各機関に意見書を提出いたしました。このたび、意見書の内容をここに公表いたします。

 

 

 

 

日本国総理大臣 安倍晋三様

 

 

 

 

 

朝鮮学校への高校無償化制度適用除外を速やかに解消することを求める

 

 

 

 

                   札幌市子どもの権利条例市民会議・代表 佐々木一

 

 

 

 

 

 2010年より、全ての公立高校についての無償化が実施され、私立学校と外国人学校の同年齢の生徒については、公立高校の無償化に相当する金額を学校に助成する形で実施されました。外国人学校に通う子どもたちを対象外にしなかったことは、国籍差別をせず、どこで学ぶかを選択する子どもと親の権利を経済面で保障する画期的なものでした。これこそ、日本国憲法と国連子どもの権利条約の精神に適ったものと言えるでしょう。私たちの住む札幌市の「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例」の精神とも合致しています。

 

 

 

 ところが、朝鮮学校だけが、その例外として未だに無償化制度の適用除外となっています。言うまでもなく、朝鮮学校で学ぶ子どもたちには罪がありません。直ちに除外を解消することを日本中の朝鮮学校が求め裁判も起こしました。私たちも、適用除外は子どもの権利の侵害と考え、適用除外の解消を求めてきました。

 

この度、北海道朝鮮学校を支える会が全国の裁判のうち2つの判決について声明を出しました。広島地裁の無償化適用外を適法とした判決を批判し、違法として無償化適用を命じた大阪地裁判決を支持し、無償化制度を日本中の朝鮮学校に適用することを求めるものでした。私たちはこの声明を支持します。

 

国連子どもの権利委員会の最終所見でも「在日韓国・朝鮮人の子どもの高等教育へのアクセスに不平等が存在していることに」特別な懸念が表されています。

 

「札幌市の子どもの最善の利益を実現するための権利条例」では、28条で国籍による差別を禁じ、3項の2に「外国籍の子どもが、必要に応じて日本語を学ぶとともに、自分の国、言語、文化等を学び、表現すること」に市の配慮義務が明確に規定されています。これは、本来札幌市だけではいけないものと私たちは考えます。

 

 

 

 政府は、朝鮮学校への無償化制度に基づく助成が朝鮮総連へ流れ、授業料に使われない可能性があるなどとしていますが、可能性のことを言えば、どんなお金でもどこの学校でも目的外に使われる恐れはあるのです。これらは、しっかりした監査で対応可能なことです。

 

 

 

 それ以外にも北朝鮮政府による核兵器やミサイル、国内における独裁体制・人権侵害、日本の民間人拉致、日本の一般認識と異なる歴史教育などの理由が政府側から聞こえてくることがあります。これらは確かに許し難いことですが、これらの外交的・政治的理由で朝鮮学校に通う子どもたちの学ぶ権利を侵害してはなりません。しかも、他国と同一基準になっていないではありませんか。

 

 核兵器やミサイルの実験、独裁政権・人権侵害、民間人拉致は、他国にもあり、原爆投下を正当化するような日本の一般認識と異なる歴史教育が他の外国人学校でもされています。しかし、他の外国人学校には例外なく高校無償化制度は適用されています。これは、子どもに罪はなく、子どもの学ぶ権利を保障する趣旨からのはずです。なぜ、朝鮮学校だけが除外されるのでしょうか?不当な二重基準と言わざるを得ません。

 

 

 

 以上の趣旨に鑑み、日本政府・文部科学省は、高校無償化制度から朝鮮学校を除外する対応を直ちにやめ、過去に給付されるべきだった金額を含め、日本中の朝鮮高級学校に他の外国人学校同様に高校無償化制度に基づく助成額の全額を速やかに給付することを強く求めます。

 

 

 

 

 

                              2017年10月25日

                          札幌市子どもの権利条例市民会議